股関節痛に悩む方へ

股関節痛について

股関節痛のメカニズム

股関節とは、骨盤と大腿骨をつないでいる臼関節と呼ばれる部位です。関節には軟骨が介在しているので、軟骨が保たれていれば足を開いたり曲げたりしても痛みを感じません。しかし、軟骨は年齢とともに擦り減ってき、骨と骨とが直接当るようになるので、歩行時に痛みが出てくるわけです。自分のこぶしとこぶしをぶつけて歩いているような感じですから、痛みのため日常生活が非常に困難になる事があります。軟骨の増加については、お薬やリハビリによる効果は実証されておりません。

病気の進行(変形性股関節症)

軟骨がすりへってきて股関節の痛みを伴ってくれば変形性股関節症という診断名になります。前期→初期→進行期→末期股関節症になります。レントゲンでの股関節のすき間の程度によって病期をわけます。 前期は運動時に軽い痛みを伴う程度ですが、すき間がさらに減って進行期、末期股関節症になれば 股関節が開きにくく、 歩くときに股関節周囲の痛みなどが出現します。

前期                初期

進行期               末期

元気な足腰を維持するためには?

①筋肉を鍛える

股関節をスムーズに動かすことで必要な筋肉が鍛えられ、 股関節の生理的な本来の動きの衰えを防止します。

②骨を丈夫にする

歩行や軽い運動をすると骨に刺激が与えられ、骨は必要とされていると思うので、骨粗鬆症などの防止になります。

当院の治療



保存療法

手術までにはまだ早く、痛みを軽くするためには保存療法を行います。方法は主に以下の3つがあります。

①温熱療法

入浴など、冷えないようにすれば痛みはよくなります。

②ダイエット

体重を減らす努力をして頂き股関節にかかる負担を減へらす。

 

③筋肉効果

歩行や軽い運動をすると骨に刺激が与えられ、骨は必要とされていると思うので、骨粗鬆症などの防止になります。

 

股関節骨切り術

赤ちゃんの頃に股関節脱臼を整復してもらっても中には遺残変形を残す場合があります。 臼蓋形成不全症という受け皿の関節面が狭くなる事があります。 一次性股関節症は股関節の形は正常ですが軟骨が擦り減ってきた状態です。 日本では二次性股関節症が多く、原因はこのような受け皿の関節面が狭い事によります。 人工股関節の成績が安定していなかった時代には骨切り術が主流でありました。 大腿骨内反骨切り術、大腿骨外反骨切り術、棚形成術、キアリ骨盤骨切り術、寛骨臼回転骨切り術などがあります。 骨切り術の長所は自骨が温存できるということであります。しかし短所としては長期の安静およびリハビリが必要になると いう点であります。 当院では寛骨臼回転骨切り術で受け皿を広くする治療を行っております。 臼蓋形成不全が残っている状態で生活を続ければ末期股関節症に進行していく可能性が高いわけですから、 形をよくすることにより 痛みを取り除き、股関節症の進行を防ぐ努力が肝要と思います。

17 歳 女性 右股関節 術前

右股関節 術後

 

人工股関節治療

現在のような人工股関節はご存じのとおり 1960 年代チャンレイ-によりその原型がつくられました。形はその当時と大きく変わっておりません。しかし生体工学の進歩にともない非常に骨への親和性の高い 人工股関節材料が開発されてきました。今ではセメントを使用しなくても材質の改良、表面形状の改善に伴い翌日から歩行を開始しても同等の安定性、および安全性が得られるようになりました。


もう一つ大きな画期的な進歩は摺動面と呼ばれるボールとソケットの材質の改良であります。長年使うと軟骨が擦り減っていくのと同様にポリエチレンと呼ばれるソッケト側の部品が擦り減ってきます。これに関してはさまざまな工夫が現在も行われております。ガンマ線照射を行い材質の特性を変えることにより、擦り減りにくくした耐摩耗性にすぐれた高度架橋型ポリエチレンは以前に製造されていた 通常のポリエチレンと比べて擦り減る量を10分の1に減らすことが可能になりました。

 

術前3次元計画

適正な人工股関節の機種選択と正確な設置を計画します。
結果的に人工股関節の長寿命が期待できること、術前シュミレーションで脱臼しないようにするため、全ての動作確認を行うことが可能になりました。

股関節ナビゲーションシステム(コンピューター支援先端手術)

適正な人工股関節の機種選択と正確な設置を計画します。
結果的に人工股関節の長寿命が期待できること、術前シュミレーションで脱臼しないようにするため、全ての動作確認を行うことが可能になりました。

当院での MIS (最小侵襲手術)

最近 MIS( 最小侵襲手術 ) という手術法が話題になっております。短い傷で手術を行えば早期リハビリ、社会復帰が可能になるという 事であります。しかしこれはいつも本当なのかと思います。股関節の外科治療は少し違います。当然必要最小の傷は意識するべきですが ちいさい傷で正確に人工股関節を設置することは相反するものです。 大前提は人工股関節を正確に設置するための傷の長さを 意識するべきだと思います。本当の意味での股関節における最小侵襲手術は如何に股関節周囲筋を切らないかという事です。一般的に行われている後方進入法は短外旋筋群というお尻の筋肉を切って設置後に縫合することがよくおこなわれています。

私共は可能な限り短外旋筋群を切らずに前外側進入を主に行っております。 中殿筋と大腿筋膜腸筋の間からのれんをわけて入るように進入します。この方法で行えば筋肉を切らずに人工股関節を設置することが可能になります。 手術後生理的な股関節の動きのために必要以上に股関節周囲筋を切ることは私共としては少し受け入れにくいところがあります。安定した後ろの筋肉を残すことにより後方脱臼の防波堤になることはもちろん(当院の脱臼率は1%未満です。 特に手術後動作制限はありません)、手術後早期から手術前と同じような足の運びが可能になるのではと考えて行っております。

手術手順

01
大転子を確認して皮膚を切る

02
筋肉を触って進入経路を確認

03
筋肉を切らず上下によけて股関節に到達

04
関節包を開き大腿骨頭を展開

05
大腿骨頭を切除後臼蓋を展開

06
臼蓋を掘削

07
ソケットを挿入

08
大腿骨を伸展外旋位にする

09
大腿骨近位を持ち上げる

10
ステムを挿入する

11
整復する

12
筋膜縫合を行って終了

患者様の股関節の状態によりますが以上の手技を1時間少々の時間で終わらせ るよう努めております。
手術の時間が長くなれば出血量も増えますし、最近話題の深部静脈血栓症の危険 性が高くなります。
可能な限り患者様の身体にかかる負担を減らせるよう、手術を迅速に終わらせる 治療を行っております。

 

当院の特徴

 

①手術室は垂直式クリーン度100レベルであり無菌、清潔に細心の注意を図っております。

②専任のリハビリスタッフにより早期社会復帰が可能になるよう入院中希望があれば正座および 自転車などの練習も行います。

③優しい医療をモット-にしております。術後経過を定期的にフォロー行い、患者様のニーズに 対応した医療を行っていきたく思っております。